プロフィール

フォトアルバム
スタッフ

はじめまして!
京四季庵店長のたかぼうです。
頑張って更新しますので、よろしくおねがいします。

最近のトラックバック

もっとお店のブログを見る

« 2012年6月 | メイン | 2012年8月 »

2012年7月

2012年7月28日 (土)

京都マラソン大作戦8

2月になり京都は更に冷え込んでいた

練習を始めて1ヶ月が過ぎ

長い距離を走っても膝が痛む事は無くなっていた

   

そんなある日1人の男性が来店した

「いらっしゃいませhappy01

明るい声で男性を迎えた俺達・・・・・

その男性はカウンターに座った

俺の目の前に・・・・・

「いらっしゃいませ!石上さんお久しぶりですね。ありがとうございます!」

俺は軽く頭を下げた

「久しぶりやな!元気そうやんけ!」

その一言だけでタバコに火を付けた

微妙な空気が店内を包んだ

 

石上さんは以前勤務していた会社の上司だった

突然の来店に俺は少し戸惑っていたのかもしれない

石上さんの事は嫌いな訳ではない

寧ろ仕事に取り組む真摯な姿は尊敬していた

ただぶつかる事も少くなかった

彼とは似ている所があったのかもしれない・・・・・

そしてその日は嫌な予感がした

   

  

  

俺は料理を作りながら目の前の石上さんとは

目を合わせないようにしていた

1時間以上が過ぎ

他のお客さんが少しづつ帰って行った

とうとう店内は石上さんだけになった

  

「お前マラソン出るらしいやんけsign01

嫌な予感は的中した

「はい!そうなんですよ・・・・・」

そう言うと必死に話をすり替えようとした

しかし石上さんはマラソンの話しかしなかった

  

 

「練習してるんかsign02

「そうですねsweat01

「どれくらい走ってるねんsign02

「先月の初めから練習を始めたんですけど、1月は合計180キロ走りました。」

「何時間を目標にしてるんやsign02

「時間は気にしてません!制限時間内に完走する事だけ考えていますsign01

「何を甘い事言ってるんやannoy4時間半あったら完走できるやろsign03

「だから時間の事は何も考えてませんよsign03

「まだ時間があるんやから、練習して少しでも早く走れるようにしろよsign03

「練習はしてますよsign01

「抽選に外れたけど本当に出場したかった人もたくさんいるんやぞsign03

「そんな事言われなくてもわかってますよannoy

俺の声は大きくなっていた

  

「そんな甘い考えで本当に出場するんかsign02

「別に自分の考えが甘いとは思いませんけどsign01

「適当にレースに出て完走出来たらいいって考えは甘いやろannoy

「適当になんかしてないですよ、練習も自分なりにやってます!

 タイムとか順位とかそんな事だけを目標にしなくてもいいじゃないですかsign02

 市民マラソンですよ!自分のペースで完走する事が何が悪いんですかsign02

「悪いとは言ってないやろ!ただ少しでも早く走れるように練習して

 出たほうがいいって言ってるんや!マラソンはそんなに甘くないぞsign03

「そんな事わかってますよannoyそんなに順位やタイムにこだわりたいなら

 自分が出たらいいじゃないですかsign03

 

    しまった・・・・・

 

石上さんは黙って下を向いた

そしてゆっくり顔をあげた

「そうやな、俺が出たらいいよな!余計な事を言ってしまったな。」

悲しそうな目だった・・・・・・

「邪魔したな、がんばれよ!」

その言葉を残して帰っていった

   

「あの人だれですか?めっちゃ失礼な人ですね!」

ケンの表情は少し怒っていた

「今の人はな石上さんっていう人で、前の会社の上司なんや。」

「そうだったんですか。」

「あの人は大学生の頃、陸上部で長距離の選手やったんや

 でも膝を壊してから選手の道を断念したらしいわ

 今でも長い距離は走れないみたいやsweat01

「店長さっき言った言葉まずいんじゃないですかsign02

「そうやな言ったらアカンこと言ってしまったなbearing

「電話でもいいからすぐに謝った方がいいんじゃないですかsign02

「いいよマラソンが終わったら報告して、その時に謝るわ

 今はあの人とマラソンの話はしたくないからな!」

俺はそう言いながらも

心の中にモヤモヤしたものが残っていた・・・・・

       続く・・・・・・

  

2012年7月20日 (金)

京都マラソン大作戦7

練習を始めてから約2週間が過ぎていた

寒い夜中に二条城の周りを一人走る毎日だった・・・・・

 

週に一度、休みの月曜日だけは、夕方から走っていた

普段は誰もいない道を一人で走っているが

この時間はたくさんのランナーが走っている

一人で走っている事に変わりはないが

他のランナーも一緒に走っているような気持ちになり

深夜よりもテンションが上がって

いつもより早く走れているような気がしてくる

不思議なものだwink

俺は少しずつ走る楽しさを感じ始めていたのかもしれない

      

  

その日も真夜中よりも気持ちよく

順調に走っていた

正面入口の前を過ぎ

更にスピードを上げた

そのままの勢いで左側のランナーを追い越そうとした

その時・・・・・

      

 

「店長sign01

小柄な女性から声を掛けられた

俺は足を止めて右側に立つ

その女性を確認した

「店長!私ですbleah

そう言うと

深くかぶっている帽子をとり、マフラーを外した

「マキ久しぶり!誰かわからんかったわhappy01

「どうもお久しぶりです!」

マキは軽く頭を下げた。

「パティシエ頑張ってるんか?」

「はいsign03

以前は店に手伝いに来て貰っていたが

今はホテルに勤務していた

久しぶりに見る彼女は

今までと変わらない明るい笑顔だった

         

「そうか順調にやってるんやなwink

「順調・・・・なんですかね?いろいろ悩みもあって・・・・・」

「マキも悩むことあるんやな!」

「ちょっと相談があるんで、近いうちにお店に行きますんで聞いてくださいよ」

「なんやねん相談って、今聞いてやるぞsign01

「またお店に行った時に・・・・・」

「気になるやろ!今聞いてやるぞsign01

マキの表情が一瞬硬くなった・・・・・

俺はそれを見逃さなかった

「ここでは話しにくいな!またいつでも店に来てや!

 その時にゆっくり聞かせてもらうわな。」

マキは軽く首を横に振った

そして深呼吸をしてから話し始めた

「あのー実は・・・・・5月からフランスに行かないかって言われてて・・・・・」

「凄いやん、前から行きたいって言ってたもんな」

「そうなんです・・・・・でもいざとなったら・・・・・

 不安もあって・・・・・どうしようかと・・・・・店長だったらどうされますか?」

「そうやなー!俺やったら行くかもしれんなー

 でも期待も大きいと思うけど、それ以上に不安も大きいなぁ

 俺はあんまりフランスの事わからへんけど

 せっかくのチャンスやし、チャレンジしたらいいと思う!

 まだ時間はあるしいろんな人の意見を聞いて

 たくさん悩んだらいいと思うぞ

 でもなどんな答えを出すにしても最後は自分で決めるんやぞsign03

「そうですよね!店長ならそう言うと思ってました。」

マキはさっきの明るい笑顔に戻っていたhappy01

   

「ところで店長はなんでマラソンしているんですかsign02」                                                                                      

「実はな3月の京都マラソンに出る事になってな・・・・・」

「凄いですね。それで練習してるんですねhappy01

「そうやねんsweat01

「店の人は知ってるんですかsign02

「あいつら人事やと思ってめっちゃ盛り上がってるわ」

「私応援に行くんで頑張ってください」

「ありがとう!マキが来てくれるんやったら頑張らなあかんな」

「すいません練習の邪魔をしてしまって・・・・・」

「そんな事ないよ!俺もたいしたアドバイス出来ひんかったけどな・・・・」

俺はその場で屈伸をしてアキレス腱を伸ばした

「よし!じゃあ行くわpaper

再び走り始めたdash

「店長!頑張ってくださーいhappy01

後ろからマキの声が響いた

その声が合図のようにスピードを上げた

この日も寒い夜だった・・・・・・

   

早いものでもうすぐ2月になろうとしていた

1月は合計180キロを走っていた・・・・・

          続く・・・・・・

2012年7月14日 (土)

京都マラソン大作戦6

大会2ヶ月前に当選が決まり

俺はその日から練習を開始した

まずは通っているスポーツジムのマシンで

7キロを走った

思っていた以上の手応えを感じた

  

翌日は二条城の周りを走った

自宅から約3キロ

一周約1900mの外周を合計10キロ走る予定だった。

 

店が終わってからの午前3時

俺以外誰もいない・・・・

1月の京都は本当に寒い

手袋をしてニット帽を深くかぶり

ひたすら走った・・・・

今回も想像以上の手応えを感じた

8キロを過ぎても余裕があった

 

よし!この調子なら20キロまで走れるぞ

 

俺は急遽20キロまで走ることにした

10キロを楽々走りきり・・・・

15キロを迎えても俺のペースは落ちなかった

 

やっぱり俺は持ってるな

楽勝でいけるんちゃう

俺は走りながら一人で微笑んでいたhappy01

 

よしせっかくここまで走ったから

このままの勢いで30キロまで走ろう

そう思った直後だった・・・・・

 

急に両膝の外側に激痛が

今まで経験した事のない痛みだった

 

 

何この痛みsign02

時計は5時を過ぎていた・・・・・

 

 

俺は激痛に耐え足を引きずりながら歩いて家に帰った

結局合計で約20キロ

まだこの倍の距離があるんか

考えただけで吐き気がした

やっぱり俺の考えは甘かったのか・・・・・

 

 

家に着くとすぐに風呂に入った

芯まで冷え切った体は

湯船に浸かっても温まった気にはならなかった

  

そのまま布団に入り

カラダを縮めて眠りに付いた

そして目が覚めた時

全く足が動かなかった

膝を伸ばすことも

曲げることもできなかった

まるで金縛りにあったかのように

 

体重が膝に負担をかけているかも・・・・・

この時82キロだった

やばい・・・・・

このままでは完走は無理・・・・・

  

 

その日ゆっくりと階段を下りて出勤した

今まで階段を下りるのにこれだけ苦労した事は無かった

「店長大丈夫ですか?」

ケンが心配そうに駆け寄ってきた

「おう!大丈夫や。昨日張り切って練習し過ぎたわ」

「あんまり無理しないでくださいよ」

「そうやな。ありがとう」

 

 

「店長大丈夫ですかね?」

「あれ無理ちゃうか?」

「マラソンって制限時間あるの知ってました?」

「そうなん!間に合わへんかったらどうなるん?」

「バスに乗せられてゴールまで行くみたいですよ」

「マジで?店長バスに乗せられるの見てみたいな」

「そうなったらマジで笑いますよ」

 

二人の会話は聞こえていた

しかし言い返すだけの気力が無かった・・・・・

 

 

こいつらのせいで・・・・・

俺はマラソンに・・・・・・

 

両足の膝は痛みが残ったままだった・・・・・

       続く・・・・・

2012年7月 7日 (土)

京都マラソン大作戦5

2012年を迎えた

俺たちは元日から営業を開始して、慌ただしい正月を過ごしていたsweat01

そして、翌週から1週間遅れの正月休みを迎えようとしていた

1月6日に大事件が・・・・・

  

それは開店準備中だった・・・・・

「えっーimpact

パソコンpcを使っていたゆきこが奇声を上げたup

俺はその声を無視した

「何してるねんsign01はよ買い物行ってこいやdash

「店長sweat01京都マラソン当選してますよshine

「何意味わからん事言ってるねんsign01はよ買い物行けやdash

「店長マジでメール来てますよhappy01

「どうせ迷惑メールやろsign01削除しとけやannoy

「ちょっとケン来てsweat01

ケンはパソコンpcを覗きこんだ・・・・・・

「ほんまやsign01店長マラソン追加当選ですよhappy02

 

はぁsign02なんやねん追加当選って・・・・・

 

俺はパソコンpcに向きあった

京都マラソン実行委員会追加当選のおしらせの文字が

「何やねんsign01今から間に合う訳が無いやろannoy俺は出えへんぞannoy

「店長練習しなくても、完走できるっていってましたよねbleah

ケンは見たことも無い様な笑顔だったhappy01happy01

 

お前なんでそんな事だけ覚えてるねんsign03

 

「店長よかったですね!

 京都の発展の為に頑張ってくださいねbleah

ゆきこも見たことも無い様な笑顔だったhappy01happy01

 

 

「ゆきこお前が出ろdash

「ちょっと待ってくださいよsign01また私にやらそうとするんですかsign02

何を言ってるねんsweat01お前今まで何もやった事ないやろangry

「お前も人として成長する為には・・・・・」

「店長の名前で申し込んだんでしょうsign02

 私が出れる訳ないでしょうsign01店長以外の人は出れませんよdash

 

 

   えっsign02

 

ケンはゆきこの言葉を聞くと厨房の奥に移動した

予約表を見ながら背中が震えていた・・・・・

 

 

くそっsign01こいつ予約表確認する振りをして笑ってやがるannoy

俺はこの時久しぶりに殺意が・・・・・

 

ゆきこはパソコンpcで何か調べ始めた

「ケンsign03あんたも受かってるんと違うsign02

その時ケンの顔が青ざめた

スマートフォンを取り出すと必死で調べ始めたsweat01

 

お前が当たってる訳無いやろannoy

何も持ってないやろボケannoy

 

「残念ですけど・・・・・僕は当選してないです残念ですcrying

嬉しそうな顔だったhappy01happy01

 

何やねんその下手な芝居pout

なんで残念です2回言うねんannoy

 

「店長凄い倍率ですよ!

 応募人数が5万人、そのうち当選が1万5千人

 その中から申し込みの手続きをしなかったのが2千人

 残りの3万5千人の中から2千人の抽選ですよflair

 店長その倍率の中から当たったんですよup

 やっぱり店長持ってますねnotes

 

「ホンマや店長持ってますよhappy01

 

二人は本当に楽しそうだった

俺は人生で10キロ以上走った事が無い

もちろん完走する自信も全く無い

このままでは、マラソンに出て恥をかくだけや

ここは正直に話すしか無い

話が大きくなる前に・・・・・

正直に話せば俺の気持ちは伝わるはずや・・・・・

 

「よく聞いてくれsign01

 俺は今まで10キロしか走ったことが無い

 しかもそれは約20年前の話や・・・・・

 マラソンに出るのは無理や

 お前たちを騙すつもりは無かった

 みんなを盛り上げようupと思ってマラソンに申し込んだ

 ただそれだけや

 その結果お前たちに嘘を付いた事になってしまった

 それは悪かったと思っている申し訳なかったweep

 

俺はゆっくりと頭を下げたdown

そして再び頭を上げた時

目の前に2人はいなかった

  

   はぁsign02どこ行ってんsign02

 

 

しばらくするとゆきこが戻ってきた

「店長sign01買い物のついでに申し込みのお金振り込んどきましたよ

 お金はいつでもいいんで気にしないで下さい。頑張ってくださいねhappy01

 

続いてケンが戻ってきた

「前の店の店長と、隣のお母さんに

 店長がマラソンに出ること報告しときましたよhappy01

 お母さんが店長は先斗町の誇りshineやって言ってましたよhappy01

 

先斗町の誇りって・・・・・・

 

      続く・・・・・・

 

2012年7月 2日 (月)

京都マラソン大作戦4

先斗町は12月を迎えていた

俺たちは慌ただしく毎日を過ごし

2011年もあとわずかだった・・・・・

大晦日を前にして、午前中に集合した俺達・・・・・

例年と同じように、1年を振り返りながら大掃除をしていた

 

「今年は、京四季庵でこれといった事件もなく何か物足りないですねhappy02

ゆきこが冷蔵庫を拭きながら口を開いた

「そうですよ!今年は僕のサンタクロースも無かったし・・・・・

去年あれだけ頑張ったのにweep

ケンもコンロを磨きながら呟いた

俺はダクトを拭きながら、2人に聞こえるように大きな声で答えた

「今年1年みんな元気でやってこれたやろnotesそれだけで十分やろ

いい1年やったと俺は思うぞhappy01

「そうなんですかねsign02店長ブログのネタとかもういらないんですかsign02

ゆきこは話しながら冷蔵庫を拭く腕に力が入っていた

「そうですよ!僕がサンタクロースになってたら・・・・

もう一つブログのネタができてたのにbearing

ケンはどうしてもサンタクロースになりたかったみたいだ・・・・・・

「ケン!保育園にサンタクロースとして呼ばれなかったのは残念や

  でもな今年の京四季庵クリスマスディナーは上手くいったやろhappy01

「そうやsweat01誰かさんが風邪ひかへんかったしbleah

ゆきこは嬉しそうにケンの顔を覗きこんだ

ケンは聞こえなかったかのように黙ってコンロを磨きつづけた・・・・・

ゆきこはゆっくり立ち上がって

「やっぱり何も無かったって事は・・・・・・ 

逆に考えるといい1年やったんかなーsign02

そう言いながら製氷機の掃除を始めた

 

俺は店内を見渡しながら

1年を振り返った・・・・

今年はブログのネタは無かった

でもいろんな事があった・・・・・

良いことも、少しだけ良くないことも・・・・

でもこうしてみんな元気で新しい年を迎えることが出来そうや

2011年は決して何も無かった1年ではない

そして2012年は今までで1番良い年になるはずや

いや、してみせるshine

 

「店長!店長!」

ケンが俺の肩を叩いたpaper

「どうかしたんですかsign02

「いや何もないよcoldsweats01

 

ゆきこは笑いながら俺を見た

「店長sign01何1人で気持ち良さそうな顔してるんですかsign02

  

こうして2011年が終わろうとしていた

年明けに大波乱が待っている事を

この時誰も想像できなかった

               続く・・・・・・

先斗町 京四季庵 のサービス一覧

先斗町 京四季庵