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京四季庵店長のたかぼうです。
頑張って更新しますので、よろしくおねがいします。

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京都マラソン大作戦 Feed

2012年10月 3日 (水)

京都マラソン大作戦16

「ランナーストップ!!」

目の前のに警備員が立ちふさがり

俺達ランナーはその場で立ち止まった

後続から続々とランナーが押し寄せ

前後左右全く動けない状態に

「どうなってるねん?」

「説明しろ!」

怒声が後方から響き渡っていたannoy

俺は大きく深呼吸して自分に言い聞かせた

「まだ10キロも走ってない、落ち着け!」

すぐに解除になると思っていたが

10分近くストップしていた

この時の10分は何時間にも思える程長く感じた

ようやく解除になった時

「焦るな!落ち着け!」

もう一度自分に言い聞かせて再び走り始めたdash

思ったよりも体は冷えておらず

ストップ前と変わらず順調に走る事が出来た

そして再び走り始めてから約1キロ進んだ所で迷わずトイレに入った

さっきのストップで他のランナーは焦っている・・・・・

ここのトイレに入るランナーは少ないはずや・・・・・

俺の予想は見事に的中したflair

トイレは並んでいるランナーが少なく

ほとんど時間をロスする事が無かった

やっぱり俺は持っているかも・・・・・

完走できそうな自信が湧いてきたshine

     

 

その後も順調に走り10キロを過ぎると

左手に世界遺産の仁和寺が・・・・・

門の前でたくさんのお坊さんが

横断幕を持って応援してくれていたhappy01

そこには

「東北共に在り」の文字が

このマラソンで一番熱い応援だったsweat01

     

 

15キロを過ぎても順調に走れていたdash

やはり練習は嘘を付かない

2回コースを試走した事は間違いでは無かった

20キロを過ぎ北山通りに入ったが

練習の時とは比較にならないほど気分爽快で

十分にスタミナも残っていた

思わずペースが上がりそうになったがグッと我慢した

     

中間地点を越えて少し進むと

ケンが体を乗り出して手を振っていたpaper

「店長!お疲れ様ですhappy01

「おう!ありがとうなbleah

俺も元気よく手を振ったpaper

「店長!練習の時より全然元気そうじゃないですかhappy01

「そうやな!れいこのおかげやwink

れいこは笑顔で俺に近づいた

その両腕には猫が・・・・・・

「何やねんsign01俺が猫嫌いなん知ってるやろsign01何の嫌がらせやねんsign03

「店長!何言ってるんですかsign02この子らみんなで救出したあの時の猫ですよshine

「えっsign02あの時の猫がこんなに大きく・・・・」

猫は俺の顔をじっと見つめていたeye

子猫救出大作戦

「れいこ!順調に走ってるんやsign01猫はあっちにやってくれannoy

俺の真剣な表情に

れいこは猫を抱えたまま渋々後ろに下がった

続いて、マキが前に出てきて声を掛けてくれた

「店長!頑張ってください・・・・・」

その目には涙が今にも溢れそうなほど溜まっていた

あの寒い日の夜に出会ってから

マキは自分の進むべき道を悩み続けていたのだろう

そして今も悩んでいる・・・・・・

彼女の顔を見ればすぐにわかった

「マキ!忙しいのにありがとうなwink

俺は、マキの肩をそっと叩いた

マキは軽く微笑んで頷いた・・・・・

あの夜と同じ硬い表情だった・・・・・

  

  

「ゆきこはどうしてんsign02

「それが・・・・」

ケンが申し訳無さそうな顔で答えた

「それが・・・・急に用事が入って来れなくなったみたいですsad

      はぁsign02

「あれだけマラソンに出ろって煽っといて、急用ってどういう事やねんannoy

「なので・・・・代わりに猫を預けて行ったんですwobbly

      はぁsign02

「なんやねん代わりが猫ってannoy

「まあ店長いいじゃないですかhappy01あと残り半分頑張ってくださいよsign01

れいこは笑いながら再び猫を近づけて来たcat

かおりは隣で笑って見ていたhappy01

りのは猫の頭を嬉しそうに撫でていたpaper

「もういいわ!行くわsweat01

「店長次は30キロ地点で待ってます!頑張ってくださいgood

ケンの表情が真剣になった

「よし!」

俺はその場で屈伸をして再び走り始めた

その先には最大の難所

狐坂が待っていた・・・・・・

       続く・・・・・・

 

2012年9月30日 (日)

京都マラソン大作戦15

遥か前方で号砲が鳴り響き

第一回京都マラソンがスタートしたdash

俺は後方のHブロックでスタートを迎えたが

号砲の合図があっても全く動かなかった

参加ランナーは1万5千人

簡単に進めないのも無理はなかった

   

2分以上経過した頃に少しづつ動き出し

スタートラインの近くまで進んだ時は5分以上経過していた

俺は高鳴る鼓動を抑え、ゆっくりとスタートラインを越えた

競技場を出て右に曲がり

葛野大路通りを左に進んだ

2度コースを試走した時は雪が舞う寒い日だったが

この日は天候も良くマラソンには最高のコンディションだった

そして沿道からの熱い応援にテンションも上がっていたup

   

スタートから順調に走り5キロ地点に到着した

周りのたくさんのランナーと沿道の声援

自分のペースが早いのか遅いのか

それすら解らなくなっていた

5キロを通過すると時計を確認した

予定よりも約2分早いペースだった

俺はゆっくりとペースを落とした

このままでは後半にバテてしまう

狐坂を越えるまでは我慢が必要だ

2度試走をして自分で考えた作戦だった

後ろのランナーに次々と抜かされていったが

「落ち着け!今は我慢するんやsign03

自分に言い聞かせながら

自分のペースを守っていた

そして初めての給水ポイントを迎えた

前のランナーに続いて紙コップを取ると

一気に喉に流し込んだ

その勢いでペースが上がりそうになったが

もう一度自分に言い聞かせた

「今は我慢するんやsign03

後方のランナーは次々と俺を追い越していった・・・・・

その時前方から

「ランナーストップ」の声が・・・・・

     続く・・・・・・

2012年9月24日 (月)

京都マラソン大作戦14

当日の朝を迎えた

ベッドに入って横になったが、結局一睡も出来なかった

軽く朝食を済ませてから

阪急烏丸駅へ向かった

駅に着くと物凄い長蛇の列が

俺は人の多さに圧倒されながら

なんとか切符を買いホームに降りたsweat01

電車に乗り込み西京極駅に到着すると

ホームは人で溢れかえっていた

無事にホームに降りて

改札を抜けると競技場が見える

俺は期待に胸を躍らせながら競技場へと足を進めたdash

手荷物を預けるとトイレに行き

自分のスタートエリアを確認した

マラソン初心者の俺はHブロック

スタートラインよりも遥か後方で

第二競技場からのスタートだった。

    

ゆっくりと柔軟体操をして競技場の周りを軽く走った

状態が良いのか、悪いのか

練習は十分だったのか

最後の調整は上手くできたのか

軽く走っただけでは解らなかった

本当に42、195キロを走り切る事ができるのか?

大きな不安が俺の心に押し寄せてきた

「ここまできたらやるしかない」

自分に言い聞かせた

そしてスタートブロックに並んだ

光菜からもらったタオルを首に、リストバンドは右手に付けて

   

スタート時間がせまりセレモニーが始まった

3月11日一年前の大震災の犠牲者に黙祷をした

元気でマラソンに参加できる自分が本当に幸せだと改めて思い

絶対に完走するという思いが更に強くなった

俺は右手のリストバンドの文字に目を移した

その時スタートの号砲が

遥か前のスタートラインで鳴り響いた

俺の初マラソンが始まろうとしていた

       続く・・・・・・・

2012年9月19日 (水)

京都マラソン大作戦13

あっという間に3月になっていた

年明けからの約2カ月の練習で合計380キロを走り

82キロあった体重は74キロまで落ちていた

練習は当日に備えて最終調整に入っていた

 

  

そして大会前日

営業をしながらマラソンの事を考え

落ち着かない1日だった

「お兄ちゃん!こんばんはhappy01

11時を過ぎた頃に一人の女性が

舞妓の光菜だった・・・・・

「明日応援に行こうと思ってたけど、行かれしませんhappy02

 これを付けて頑張っておくれやす」

俺は差し出された袋を受け取った

中にはタオルとリストバンドが入っていた

「ありがとう!明日はこれを付けてがんばるわpunch

リストバンドにはガンバレの文字が

「絶対完走しておくれやすhappy01

「おう!まかせとけsign03

俺は大きな声で答えた

 

その日の賄いはケンがパスタを作ってくれた

「店長!パスタはエネルギーになりますから、これで明日は力が出ますよshine

今までのアドバイスと同じくネットで調べてくれたようだ

 

「店長ではお先に失礼しますnotes

「おう!ゆきこおつかれsign01

「店長がこの2カ月頑張ってるのをずっと見てましたよnote

 私も応援できるのを楽しみにしています。絶対完走してくださいねhappy01

ゆきこは初めて優しい言葉を掛けてくれた

 

 

店の営業が終わり片付けはケンに任せて

俺は家路に着いた

いよいよ本番を迎えようとしていた

                続く・・・・・・・

 

2012年9月 7日 (金)

京都マラソン大作戦12

翌週の月曜日

店の営業が終わった午前3時半

俺は走り始めた

自宅から西京極競技場までの約4キロ

ウォーミングアップを兼ねてゆっくり走った

先週よりも冷え込んでいた

空からは、チラチラと雪が舞い降りてきた

西京極競技場に到着すると

もう一度ストレッチをした

そして大きく深呼吸をし再び走り始めた

前回とは違い一人で、まだ暗い道を必死で走った

アップダウンの激しい道に差し掛かった頃

「マラソンはそんなに甘くないぞsign01

石上さんの声がまた頭をよぎった

「くそっ!」

ペースを上げそうになったが

歯をくいしばって我慢した

「ここは我慢する所や!」

自分に言い聞かせた

1度コースを経験した俺は

我慢する場所とスピードを上げる場所を

体で覚えていた

18キロを通過して少しづつペースを上げた

そして20キロを越えて最大の難関狐坂が・・・・・

この坂はゆっくりと歩いて登った

ケンにあれだけ無理をするなと言われたからだ

狐坂を下りるときもゆっくりと歩いた

それでも北山通りに戻ってくる頃には

両足は前回と同じようにパンパンに張っていた

そこからはゆっくりのペースではあるが

30キロまで歩くことなく

最後まで走り切る事ができた

あと12キロ・・・・・

考えると不安になったが、前回よりもタイムは早くなり

少し手応えを感じる事ができた

なんとか完走できるかも・・・・・・

そう思った時

「マラソンはそんなに甘くないぞsign01

石上さんの声が再び聞こえてきた

大会まであと2週間だった

      続く・・・・・・・

2012年9月 3日 (月)

京都マラソン大作戦11

翌日出勤すると

ケンが待ち構えていた

「おはようございます!昨日のコースの試走はどうでしたか?」

「なんとか30キロまで走ったわsweat01

「凄いじゃないですか!ここまで順調に来てますねhappy01

「そんな事ないわ、昨日はホンマにきつかった

 あそこからまだ10キロ以上走る自信は無いわsign01

ケンは心配そうな表情に変わったbearing

俺の練習している姿を見て

ケンも何か感じる物があったようだ

当選が決まった時とは違い、今は本気で心配してくれていた

「そんなにキツかったですかsign02

「お前の言った事に間違いは無かった、アップダウンは想像以上やった

 でも本番のコースを走って良かったと思ってる

 二条城の周りだけで、本番を迎えてたらホンマにやばかったわ!」

「あとは無理をせずに、調整して本番に備えて下さいねnote

「まだ調整は早いわ!来週の休みにもう一回コースを走るぞsign03

「店長!もう長い距離は走らない方がいいですよsign01

「なんでやsign02

「来週は大会の2週間前です。2週間前に長い距離を走ったら

 当日に疲れが残ります!絶対に走らないほうがいいですよsign01

「お前なんでそんな事知ってるねんsign02

「ネットで調べました。」

「それはずっと練習してきた人の場合やろ

 俺はまだ2ヶ月も走ってないから、このまま出たら練習不足やろannoy

「そんな事ないです。来週はもう長い距離は止めたほうがいいです

 オーバーワークになってしまうかもしれませんよsign01

ケンの表情は真剣だった

やっぱり長い距離の練習は止めた方がいいのか・・・・・・

俺の心に迷いが生じた・・・・

      

    

その時俺の携帯が鳴り響いた

「もしもし」

「店長こんにちは!たけしです!」

「おう!たけし!久しぶり元気か?」

高校入試大作戦で見事合格した

あのたけしだった

   

高校入試大作戦

 

「はい!元気ですsign03

電話の声だけで彼が充実した生活を送っている事が、十分に伝わってきた

成長したなぁ、そう思うと胸が熱くなったshine

「そうか!元気にがんばってるんやな。俺も嬉しいわhappy01

「お姉ちゃんから聞いたんですけど、京都マラソンに出るんですか?」

「そうやねん!毎日練習してるぞsign01

「そうですか!凄いですね。頑張ってくださいねbleah

「おう!」

「完走したら、ジュース奢りますよwink

「そうか、たけしジュース奢ってくれるんか。楽しみやな!

絶対完走せなあかんな。」

「僕も楽しみにしてますよ。かっこいいとこ見せて下さいよ」

「おう!任せとけ」

「当日は応援に行けるかまだ解りませんけど、店長頑張ってください。」

「ありがとう」

「店長それだけなんですけど」

「そうか!わざわざありがとうな!」

俺は電話を切り、ケンに向ってこう告げた

「来週もう一回コースを走るわsign03

ケンは頷いた

そして静かに答えた

「わかりました!頑張ってください!でも絶対に無理はしないで下さいね。」

      続く・・・・・

 

 

2012年8月27日 (月)

京都マラソン大作戦10

俺は勢いよくスタートをした

斜め前を、れいこが自転車で先導していた

「店長5キロを通過しました!」

「おう!楽勝やscissors

二条城の外周とは違って

変わる景色を見ながら気分は爽快だった

嵐山の緑を眺め

桂川の川の音を聞きながら

渡月橋を右に曲がると

そこからゆっくりとした坂道が・・・・・

そして下りが・・・・

これがケンの言っていたアップダウンか・・・・・

「店長先に行ってて下さい!すぐに追いかけますから」

自転車に乗っている

れいこのほうがしんどそうだった

俺はれいこを残して自分のペースで走っていた

8キロ~9キロは心臓破りとも言える、過酷な坂道だった

なんとか心臓破りを越えて

10キロ地点を迎えた

この地点で足はパンパンだった・・・・・

二条城の周りよりも

何倍も過酷なコースだった

「マラソンはそんなに甘くないぞsign03

石上さんの声が頭によぎった

「くそっsign01

俺は歯を食いしばって足を進めた

世界遺産の仁和寺を過ぎたあたりで

れいこが追い付いてきた

「店長!早いですねhappy01

「おうsign01

疲れている事を悟られぬように、俺は大きな声で答えた

そしてれいこの差し出したペットボトルを口にした

15キロまで進むともう一度坂道が待ち構えていた

「店長!ここを過ぎると暫く平坦な道です頑張ってくださいshine

俺は無言で左手を上げた

声を出すのがしんどかった・・・・・

18キロを過ぎると緩やかな下り道が続いた

そして賀茂川沿いを進み西賀茂橋を折り返した

この時点で20キロ手前だった

しかし・・・・・・

想像以上の体力を消耗していた

「マラソンはそんなに甘くないぞsign03

石上さんの声が再び頭をよぎった

俺は頭からその言葉を消し去ろうと

北山通りに向かい必死で足を進めた

「れいこ次を右でいいんか?」

俺は力を振り絞って声を出した

そして振り返ると

れいこは止まってパンを食べていた

「お前この状況で何パン食ってるねんannoy

 次曲がる道を説明してから食えやボケannoy

「すいませんcrying次の次の橋を右ですdash

疲れもあったのか無性に腹が立った

大声で叫んでいたsign03

怒りを抑えながら北山通りに向かった

中間地点を越えて最大の難所の狐坂が近づいてきた

俺は一旦立ち止まり屈伸をした

そして大きく深呼吸して再び走り始めた

今まで以上のキツイ坂道だったup

20キロを過ぎてからの狐坂は本当に過酷だ

途中から歩きながら坂を登りきり

トンネルを抜けるとそこは雪景色だった

3日程前に降っていた雪がここにはまだ残っていた

国際会館の前まで進むとゆっくりと折り返し

再びトンネルに向かった

この雪景色を堪能する余裕は全く無かった

そして今度は狐坂をゆっくりと下った

北山通りに戻ると左に曲がり

平坦な道に差し掛かったが、スピードは全く上がらなかった

俺はとうとう体力の限界を迎えていた

歩き始めた俺に、れいこが心配そうにペットボトルを手渡した

俺は無言で受け取ると一気に飲み干した

それからは歩いては、走り、歩いては、走りの繰り返しだったが

なんとか30キロ地点までたどり着く事が出来た

「店長ここで30キロですsweat01

れいこの声で足を止めた

そして地下鉄の駅までゆっくり歩いた

30キロを走った達成感はほとんど無かった

それよりもこのコースの過酷さ

マラソンの厳しさを身をもって感じていた

「れいこ朝早くからありがとうなnoteさっきは怒って悪かったなbearing

地下鉄の駅の前で声を掛けた

「いえこちらこそすいませんでしたwobbly

 でもかなり辛かったんじゃないですか?

 あんなに怒った店長を始めて見たんで・・・・」

「ホンマに悪かったな気を付けて帰れよ!」

「店長こそ気を付けて下さいよwink

俺は地下鉄に乗り込んだが椅子には座らなかった

座るとそのまま寝てしまいそうだった

家に着くとすぐ風呂に入った

湯船の中ではいつの間にか眠っていた

「マラソンはそんなに甘くないぞsign03

石上さんの声で目が覚めた・・・・・・

また石上さんか・・・・・

今日だけで何回目か・・・・・

風呂から上がってふやけた足を拭くと

右足の親指の爪が剥がれていた

俺は何も焦らなかった

寧ろ爪が剥がれただけで、良かったとさえ思った

それほどこの30キロは過酷だった・・・・・・

    続く・・・・・・

2012年8月22日 (水)

京都マラソン大作戦9

2月に入り俺は、更に練習量を増やしていた!

1週目の休みはスポーツジムで30キロ走に挑んだ

マシンを使って休憩を入れながら、なんとか30キロを走り切る事ができたsweat01

2週目は二条城の周りを30キロ・・・・・・

なんとか休憩せずに完走する事ができたsign01

30キロを走りきった後の下半身は

自分の体では無い様な、なんとも言えない重さだった

あと12.195キロ走る事を考えると吐き気がしてくるbearing

しかしそれ以上に30キロを走れるようになった、達成感と自信は大きかったhappy01

「このまま頑張れば必ず完走できるぞ。」

俺は自分に言い聞かせた

そして、その自信は確信に変わるはずだった・・・・・・

        

     

翌日出勤すると

「店長!昨日の練習はどうでしたか?」

ケンはいつもよりも真剣な表情だった

「二条城の周りを30キロ走ったわscissors

「30キロですか凄いですねsweat01

「そうやな!30キロは流石にしんどかったけど、ちょっと自信がついたわshine

「これからの練習はどうするんですか?」

「来週も二条城の外周を30キロ走ろうと思ってる。」

「本番のコースは走らないんですかsign02

「コースはいいやろ、二条城を走るわnotes

「店長よく聞いてくださいね!今回の京都マラソンのコースは

 坂道の多い、初マラソンのランナーには厳しいコースなんです

 1度でいいからコースを走っておいた方がいいですよsign03

ケンの表情はいつにもなく真剣だったhappy02

「なんでお前そんな事知ってるねんsign02

「ネットで調べましたsign01

「そうか、でもコースはいいわ!二条城走るし・・・・・」

「店長!絶対に一度は走ってくださいsign01

       

 

   

 

翌週の月曜日、俺は朝6時に西京極競技場の前にいた

ケンの言うことを聞いてコースを試走する事にした

あいつのあんなに真剣な顔は、見た事が無かったからだ

俺は一人で体操をしていた

「おはようございますup

後ろから声が聞こえた・・・・

「おはよう!れいこ休みの日に朝早くからごめんな。」

「いえ!とんでもないです。クリスマス会でお世話になったままで

 やっと店長に恩返しができますbleah

サンタクロース大作戦

 

れいこは自転車で一緒に走ってくれる事になっていた

「ネットで調べてきたコースの地図です。どうぞ!」

「ありがとう助かるわ!」

俺は地図を受け取ると、もう一度コースを確認した

この坂道が多いコースを走りきれるのか・・・・・

大きな不安が、俺の心に襲いかかって来た

大丈夫や俺なら出来るshine

不安をかき消すように自分に言い聞かせた

それから屈伸をして大きく深呼吸した

そして勢いよく走り始めた

2月の寒い朝だった・・・・・

  続く・・・・・

2012年7月28日 (土)

京都マラソン大作戦8

2月になり京都は更に冷え込んでいた

練習を始めて1ヶ月が過ぎ

長い距離を走っても膝が痛む事は無くなっていた

   

そんなある日1人の男性が来店した

「いらっしゃいませhappy01

明るい声で男性を迎えた俺達・・・・・

その男性はカウンターに座った

俺の目の前に・・・・・

「いらっしゃいませ!石上さんお久しぶりですね。ありがとうございます!」

俺は軽く頭を下げた

「久しぶりやな!元気そうやんけ!」

その一言だけでタバコに火を付けた

微妙な空気が店内を包んだ

 

石上さんは以前勤務していた会社の上司だった

突然の来店に俺は少し戸惑っていたのかもしれない

石上さんの事は嫌いな訳ではない

寧ろ仕事に取り組む真摯な姿は尊敬していた

ただぶつかる事も少くなかった

彼とは似ている所があったのかもしれない・・・・・

そしてその日は嫌な予感がした

   

  

  

俺は料理を作りながら目の前の石上さんとは

目を合わせないようにしていた

1時間以上が過ぎ

他のお客さんが少しづつ帰って行った

とうとう店内は石上さんだけになった

  

「お前マラソン出るらしいやんけsign01

嫌な予感は的中した

「はい!そうなんですよ・・・・・」

そう言うと必死に話をすり替えようとした

しかし石上さんはマラソンの話しかしなかった

  

 

「練習してるんかsign02

「そうですねsweat01

「どれくらい走ってるねんsign02

「先月の初めから練習を始めたんですけど、1月は合計180キロ走りました。」

「何時間を目標にしてるんやsign02

「時間は気にしてません!制限時間内に完走する事だけ考えていますsign01

「何を甘い事言ってるんやannoy4時間半あったら完走できるやろsign03

「だから時間の事は何も考えてませんよsign03

「まだ時間があるんやから、練習して少しでも早く走れるようにしろよsign03

「練習はしてますよsign01

「抽選に外れたけど本当に出場したかった人もたくさんいるんやぞsign03

「そんな事言われなくてもわかってますよannoy

俺の声は大きくなっていた

  

「そんな甘い考えで本当に出場するんかsign02

「別に自分の考えが甘いとは思いませんけどsign01

「適当にレースに出て完走出来たらいいって考えは甘いやろannoy

「適当になんかしてないですよ、練習も自分なりにやってます!

 タイムとか順位とかそんな事だけを目標にしなくてもいいじゃないですかsign02

 市民マラソンですよ!自分のペースで完走する事が何が悪いんですかsign02

「悪いとは言ってないやろ!ただ少しでも早く走れるように練習して

 出たほうがいいって言ってるんや!マラソンはそんなに甘くないぞsign03

「そんな事わかってますよannoyそんなに順位やタイムにこだわりたいなら

 自分が出たらいいじゃないですかsign03

 

    しまった・・・・・

 

石上さんは黙って下を向いた

そしてゆっくり顔をあげた

「そうやな、俺が出たらいいよな!余計な事を言ってしまったな。」

悲しそうな目だった・・・・・・

「邪魔したな、がんばれよ!」

その言葉を残して帰っていった

   

「あの人だれですか?めっちゃ失礼な人ですね!」

ケンの表情は少し怒っていた

「今の人はな石上さんっていう人で、前の会社の上司なんや。」

「そうだったんですか。」

「あの人は大学生の頃、陸上部で長距離の選手やったんや

 でも膝を壊してから選手の道を断念したらしいわ

 今でも長い距離は走れないみたいやsweat01

「店長さっき言った言葉まずいんじゃないですかsign02

「そうやな言ったらアカンこと言ってしまったなbearing

「電話でもいいからすぐに謝った方がいいんじゃないですかsign02

「いいよマラソンが終わったら報告して、その時に謝るわ

 今はあの人とマラソンの話はしたくないからな!」

俺はそう言いながらも

心の中にモヤモヤしたものが残っていた・・・・・

       続く・・・・・・

  

2012年7月20日 (金)

京都マラソン大作戦7

練習を始めてから約2週間が過ぎていた

寒い夜中に二条城の周りを一人走る毎日だった・・・・・

 

週に一度、休みの月曜日だけは、夕方から走っていた

普段は誰もいない道を一人で走っているが

この時間はたくさんのランナーが走っている

一人で走っている事に変わりはないが

他のランナーも一緒に走っているような気持ちになり

深夜よりもテンションが上がって

いつもより早く走れているような気がしてくる

不思議なものだwink

俺は少しずつ走る楽しさを感じ始めていたのかもしれない

      

  

その日も真夜中よりも気持ちよく

順調に走っていた

正面入口の前を過ぎ

更にスピードを上げた

そのままの勢いで左側のランナーを追い越そうとした

その時・・・・・

      

 

「店長sign01

小柄な女性から声を掛けられた

俺は足を止めて右側に立つ

その女性を確認した

「店長!私ですbleah

そう言うと

深くかぶっている帽子をとり、マフラーを外した

「マキ久しぶり!誰かわからんかったわhappy01

「どうもお久しぶりです!」

マキは軽く頭を下げた。

「パティシエ頑張ってるんか?」

「はいsign03

以前は店に手伝いに来て貰っていたが

今はホテルに勤務していた

久しぶりに見る彼女は

今までと変わらない明るい笑顔だった

         

「そうか順調にやってるんやなwink

「順調・・・・なんですかね?いろいろ悩みもあって・・・・・」

「マキも悩むことあるんやな!」

「ちょっと相談があるんで、近いうちにお店に行きますんで聞いてくださいよ」

「なんやねん相談って、今聞いてやるぞsign01

「またお店に行った時に・・・・・」

「気になるやろ!今聞いてやるぞsign01

マキの表情が一瞬硬くなった・・・・・

俺はそれを見逃さなかった

「ここでは話しにくいな!またいつでも店に来てや!

 その時にゆっくり聞かせてもらうわな。」

マキは軽く首を横に振った

そして深呼吸をしてから話し始めた

「あのー実は・・・・・5月からフランスに行かないかって言われてて・・・・・」

「凄いやん、前から行きたいって言ってたもんな」

「そうなんです・・・・・でもいざとなったら・・・・・

 不安もあって・・・・・どうしようかと・・・・・店長だったらどうされますか?」

「そうやなー!俺やったら行くかもしれんなー

 でも期待も大きいと思うけど、それ以上に不安も大きいなぁ

 俺はあんまりフランスの事わからへんけど

 せっかくのチャンスやし、チャレンジしたらいいと思う!

 まだ時間はあるしいろんな人の意見を聞いて

 たくさん悩んだらいいと思うぞ

 でもなどんな答えを出すにしても最後は自分で決めるんやぞsign03

「そうですよね!店長ならそう言うと思ってました。」

マキはさっきの明るい笑顔に戻っていたhappy01

   

「ところで店長はなんでマラソンしているんですかsign02」                                                                                      

「実はな3月の京都マラソンに出る事になってな・・・・・」

「凄いですね。それで練習してるんですねhappy01

「そうやねんsweat01

「店の人は知ってるんですかsign02

「あいつら人事やと思ってめっちゃ盛り上がってるわ」

「私応援に行くんで頑張ってください」

「ありがとう!マキが来てくれるんやったら頑張らなあかんな」

「すいません練習の邪魔をしてしまって・・・・・」

「そんな事ないよ!俺もたいしたアドバイス出来ひんかったけどな・・・・」

俺はその場で屈伸をしてアキレス腱を伸ばした

「よし!じゃあ行くわpaper

再び走り始めたdash

「店長!頑張ってくださーいhappy01

後ろからマキの声が響いた

その声が合図のようにスピードを上げた

この日も寒い夜だった・・・・・・

   

早いものでもうすぐ2月になろうとしていた

1月は合計180キロを走っていた・・・・・

          続く・・・・・・

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